2022年4月22日より映画館にて上映の映画『クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』(クレヨンしんちゃん もののけニンジャちんぷうでん)を見てきました。
むちゃくちゃ面白かったので、今回はこの「もののけニンジャ珍風伝」を感想・レビュー。
※本記事では物語の核心に触れている場合があります。あらかじめご了承ください。
2022年上映の映画クレヨンしんちゃん「もののけニンジャ珍風伝」の特別キャストは?主題歌は?
まずは「もののけニンジャ珍風伝」の基本情報を確認しておきましょう。
クレヨンしんちゃんの本作の映画では、声の特別出演として、
- 川栄李奈(かわえいりな):屁祖隠ちよめ(へそがくれちよめ)役
- ハライチ(岩井勇気&澤部佑):ハライチ(本人)役
が出演しています。
主題歌は「緑黄色社会」の「陽はまた昇るから」です。
クレヨンしんちゃんの映画の主題歌は心に響く曲が多いですが、今回の主題歌も実際に映画館で聞いて、とても感動的でした。
「もののけニンジャ珍風伝」ってどんな物語?忍者の里へレッツゴー!
「もののけニンジャ珍風伝」の物語は、しんのすけが生まれた日にまでさかのぼります。
みさえが出産したときに入院していた病室にいたのが、本作の重要な存在である「屁祖隠ちよめ」(へそがくれちよめ)という女性でした。
ちよめも、しんのすけが生まれた日にちょうど「珍蔵」(ちんぞう)という男の子を生んでいたんです。
そして、なんと驚くことに、ちよめによれば、しんのすけと珍蔵は取り違えられてしまったとか何とか…。つまり、しんのすけはちよめの子どもだと言うんです。
そんな事情をちよめが野原家に突然やってきて語ります。
ちよめがそうした事情を語ったのには実は理由があり、さらに、ちよめが野原家にやってきたことで、野原家はまた映画版でおなじみの厄介ごとに巻き込まれていきます…。
以上が本作序盤のあらすじとなります。
ここから、しんのすけがとある事件に巻き込まれて、ちよめと珍蔵のふるさとの忍者の里に連れていかれ、さらに物語は展開していきます。
終盤では地球全体を巻き込むかなりの大ごとになるわけなんですが…。
【感想】「もののけニンジャ珍風伝」の個人的な見どころ
ここでは、「もののけニンジャ珍風伝」で僕が特に「面白い!」と感じた部分に絞って感想紹介していきます。
城に忍び込むシーンはスリル満点!
クレヨンしんちゃんの映画と言えばやはりアクション要素が肝心!
本作でもきちんと用意されています。
僕が個人的にスリルを感じたアクションは「城に忍び込むシーン」のところです。
しんのすけはとある事情で城に忍び込むことになります。
案の定、しんのすけは忍び込むことなんてせずに、普段と変わらずヘラヘラしてるわけなんですが、それが意外とバレない。まんまとボスのすぐ近くまで行けちゃうんです。
視聴者はしんのすけじゃないので、しんのすけの行動に毎回ハラハラするわけです。
このハラハラ感がたまらないんですよね。
クレヨンしんちゃんの映画の過去作で言うなら、『嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦』の侵入パートのようなドキドキ感です。
とはいえ、侵入しているのは和風の城なわけで、その意味では『雲黒斎の野望』(うんこくさいのやぼう)でボスを討ちに城をのし上がるシーンも思い出さないわけではありませんでした。
クレヨンしんちゃんではテレビアニメ版でも過去に「忍者回」とでも言えるような回がありました。
忍者のスパイ的な要素と、しんのすけの(良い意味で)ヘラヘラした性格って矛盾しているようでめちゃくちゃマッチするんです。
「もののけニンジャ珍風伝」のアクション要素は、このように過去作との繋がりを感じさせる点で、クレヨンしんちゃんの映画初心者の方だけでなく、ファンの方も安心できる面白さとなっています。
野原一家と屁祖隠家(へそがくれけ)の心温まる交流!
「もののけニンジャ珍風伝」では、「屁祖隠家」(へそがくれけ)が野原一家にとってとても重要な一家となってきます。
野原一家と屁祖隠家の家族構成は実はそっくりで、シロをのぞくと、父母に5歳児と0歳児という同じ構成です。
そのため、視聴者としては野原一家と屁祖隠家を重ねつつ見てしまいます。といっても、境遇は全然別なんですけどね。
野原家には野原家なりの苦労がもちろんあります。
しかし、屁祖隠家は屁祖隠家で忍者の一族として重要な役割を持っていたり、そのせいで将来が決まってしまっていたりと、それぞれ大変なところがあるわけです。
屁祖隠家の苦労を敏感に察するのはみさえです。
みさえは母親という同じ境遇から、屁祖隠ちよめ(しんのすけと同い年の子ども「珍蔵」の母親)に共感します。もちろん、珍蔵にも。
本作は「家族愛」が重要なテーマになっていると言えます。
【感想まとめ】「家族愛」がテーマの感動オモシロ映画!
さて、個人的な見どころを紹介したところで、本作全体を見渡しての感想を言っていきます。
つい先ほど、本作のテーマは「家族愛」だと言いましたが、家族愛というテーマはクレヨンしんちゃんの映画においては頻出のものと言えます。
映画では何だかんだあって野原一家が事件に巻き込まれるわけで、そのため家族で協力して危機を乗り越えないといけない。
結果として、家族愛が重要となってきます。
しんのすけは5歳児とは思えないほどの精神の持ち主ですが、とはいえ、やはり子どもは子ども。
親のみさえやひろしにしばらく会えないとなると、寂しさを感じずにはいれません。
しんのすけのひとりぼっちの寂しさは本作でもきちんと描かれています。
寂しく思うのは親も同じ。
離れ離れとなったしんのすけを取り戻すために、みさえとひろしが奮闘するということがクレヨンしんちゃんの映画ではよく起こります(みさえとひろしがしんのすけのために奮闘する映画と言えば個人的には『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』を思い出します)。
本作でもみさえとひろしはしんのすけのためにしっかり頑張ります。
本作は、これまでの劇場版の伝統をしっかりと踏襲していると言えるでしょう。
忍者の里という和風の舞台、家族愛というテーマ…。
こうした要素は初見の方にもファンの方にも安心して楽しめる要素となっています。
「もののけニンジャ珍風伝」でもう1つ印象に残ったことがあります。
それは、しんのすけの力がインフレせずに変わらないという点です。
劇場版では、何かしらの力を手に入れて常人を超えた力を発揮する展開をしばしば目にします。
そうしたパワーを手に入れる/手に入れないが面白さに直接結びつくわけではありません。
ただ、本作では、しんのすけはあくまでテレビ放送版に似た等身大の姿で活躍します(いや、本作でも実は特殊なパワーを発揮する部分はあるんですけどね)。
忍者の世界が舞台となっているにも関わらず、しんのすけは忍術を基本的に習得することはありません。
この点では『爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~』で目まぐるしいスピードで新技を習得していくのとは対照的です。
新技を習得することで映像的に派手で楽しめるというのがこのタイプの特徴ですね。
ただ、テレビでおなじみのしんのすけの姿を映画館でも楽しめるという点では、「もののけニンジャ珍風伝」のしんのすけの「変わらなさ」は、クレヨンしんちゃんの1ファンである僕としてお気に入りの部分です。
【おわりに】「しんのすけ」と「忍者」の組み合わせは最高!
色々と言いましたが、一言で本作の感想をまとめるなら、「しんのすけ」と「忍者」の組み合わせはむちゃくちゃ面白いということです。
クレヨンしんちゃんという作品がもつ安定した面白さと、劇場版クレヨンしんちゃん特有のテーマやアクション要素を高水準でまとめ上げた作品と言えます。
クレヨンしんちゃんの映画初心者の方だけでなく、ファンの方も安心して楽しめる作品です。
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